農家は四周を土塀で囲み北西と南東に蔵を立て家具や穀物を収蔵し、母屋は南面して通常は門屋がある。
母屋の形は大屋根と下屋と呼ばれる瓦屋根で構成され、大屋根は段差をつけた入母屋造りとし、重厚な構えになっている。この形は大和棟をの基本形を継承し、大屋根の段差や下屋により1階部分の広がりを造っている。
<大和棟>
大和・河内地方で見られる古民家の一形式で、急な勾配の藁葺(わらぶ)き屋根の両妻部分を瓦葺きにして、 一段低く緩勾配の瓦屋根を設け、平側に下屋を出している。
<入母屋造り>
入母屋造は切妻造の周囲に庇をつけたものから成立。大和棟も下屋の周っているものがある。格式のある建物に用いられた。
<倉>
「倉」は「穀物を入れておくところ」で、置き屋根にして、屋根の下を風が吹き抜け室内の温度が上がるのを防ぐ
<蔵>
「蔵」は「大事なものをかくしてしまいこんでおくところ」といった意味合いがあります。家具や大切な物を保管し、防火、防寒、湿気、盗難から守る。
門と納屋を一体につくり、下男・作男などを住まわせた。類例として武家屋敷の長屋門がある。
屋敷の出入口が社会的に重要な意味を持つため、腕木(うでき)を出して深い軒を造り、木口を飾金物で装飾して豪華さを出す。又木材は白木(塗装をしないで木肌を見せる)を使用し材質や木目の美しさを厳選する為、1千万ぐらいの高価になることもある。